2月15日から17日まで二泊三日で味噌作りの取材をした。取材をしたのは小鹿野町の「手前味噌の会」倉林昌子さん(70歳)だった。
10年ほど前から味噌作りを始めたという手前味噌の会。公民館の活動から始まった味噌作りは評判を呼び、年々会員が増え、今では60人もの人が参加している。8人一組で11回の仕込みを行うという。今回取材したのは倉林さんがリーダーで行う8人グループの味噌作りだった。
一日目は米と大豆を洗って水に浸ける作業。二日目は米を蒸して麹を作る作業。三日目は大豆を煮る作業と麹の切り返し。四日目に全てを合わせて味噌の仕込み作業。
二日目から四日目を取材した。8人の参加者は皆さん慣れたもので作業はとてもスムーズに進んだ。横で見ているだけだったがすごい勉強になった。「こうじ君」という麹を作る機械の素晴らしさ。塩分濃度11%を算出する計算式の妙。作業一つ一つを確認する厳しさ。
何組ものグループが使うため、道具の管理と洗浄に最大限の手間をかけるメンバー。偶然にも暖かい三日間だったが、通常であれば寒風吹きすさぶ中で行う冷たい水を使った洗い事は大変な作業だと思った。
何より楽しかったのは休憩のお茶のみタイム。料理自慢のメンバーが持ち寄ったお茶請けがズラリと並び、その作り方、味わいなどなど話に花が咲く楽しい時間だった。見たことも食べた事もない料理が出て来るので、それだけでも楽しかった。取材対象になるものもたくさんあったが、今回は味噌の取材なので横道にそれるのは遠慮した。
さてさて、家に帰って取材ノートをまとめてみると困難さが見えて来た。情報量が多すぎる。三日間の内容を書くだけで紙面が一杯になってしまう。嬉しい悲鳴だが、それだけで終わっては何のための取材だったのかわからない。これから取捨選択をくり返し、練り直して文章にしたいと思う。
それにしても二泊三日の取材というのは初めてで、たくさんの人に会うことが出来た。高校時代の友人と44年ぶり飲んだり、本の注文をしてくれたたくさんの人に本を届けることも出来た。楽しく充実した三日間だった。