ホームページの山里の記憶コーナーに「鹿煮」をアップした。
鹿煮は鹿肉のどんな部位でもおいしく食べられる画期的な料理法だ。料理法といっても、四時間煮続けるというシンプルなもので、どの家庭でも簡単に出来る。狩猟や害獣駆除で獲れた鹿の肉をおいしく食べる最高の料理法だと思う。
鹿煮は他の料理に転用できるのがすばらしいところだ。鹿ストロガノフ、鹿カレー、鹿ラーメン、鹿パイ、鹿ボルシチ、鹿大和煮などなど、なんでも転用できる。ジビエというよりは柔らか肉素材として使える。多くの人は鹿肉は食べ方が限られていると思っている。ところが、この料理はどんな食べ方にも変えられる。敬遠している人にも是非試して欲しい料理だ。
この取材の時に守弘さんが見せてくれたものがある。角が後方に折れ曲がった奇形の鹿頭骨見本だ。まれにこういう鹿がいるというが、こうして頭骨見本を残して置かなければその実体はわからない。猟師の間では知られている事でも一般的には未知の領域だ。
ソロッポという角がまっすぐでヘラ状になった鹿もいる。長年猟師をやってきた経験の中でも数少ない個体だったという。どうしてそういう個体が誕生するのかわからないという。
守弘さんはスケルトンという動物の頭骨見本製作の名人だ。昔は多くの人に頼まれて頭骨見本を作ってあげたという。家の猟師小屋にはたくさんのスケルトンが並んでいる。じっくり見ると鹿・猪・熊それそれの特徴がよくわかる。個体毎の違いもよくわかるので面白い。真っ白く仕上げるのがポイントだという。いろいろな方法を試行錯誤した結果、これだけきれいなスケルトンが出来るようになった。
いつか、スケルトンの取材が出来ればいいなあと思う。