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Channel: kurooの窓
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花名人をアップ

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Hanameijin
 
 ホームページの山里の記憶コーナーに「花名人」をアップした。
 今回取材した神林清一さん(72歳)は小鹿野町両神のダリア園の会長で、栽培ノウハウや管理方法などを指導している方だった。ダリア園の隆盛はひとえに清一さんの知識・技術に負うところが大きい。
 
 自他共に認める花名人の原点が桜草にあることを知り、その詳細を取材した。花の名前や歴史、栽培方法から鑑賞法まで。ひとつの文化とも言えるその内容は、とても書き尽くせるものではなく、上辺だけをまとめるのが精一杯だった。
 「道楽だからねぇ…」と謙遜する清一さんだったが、道楽だからこそ徹底して栽培方法を追求できる。その真摯な姿勢が、そのままダリア園の運営に生かされている。
 
 桜草の栽培方法が確立されたのは江戸時代のことだった。武士の文化を色濃く残す栽培方法や鑑賞法は他の花々にはない様式を確立した。
 清一さんが桜草に惹かれたのもその日本的な情緒だったという。西洋花が隆盛を極める中、日本の花が放つ情緒はやはり魅力があるという。日本人の心をくすぐる何かが桜草にはあるのだと江戸時代の版木本を見ながら話してくれた。江戸時代に開発された品種は数百種類に及ぶそうだが、現在は千数百種類の桜草が登録されているとのこと。
 新しい品種を作るのではなく、清一さんは栽培を通して江戸時代の原種に近いものを再現したいのだという。今栽培しているものは全て、江戸時代からの品種を守り育てている。
 
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 自宅で400種類・1200鉢の桜草を栽培している。これを毎年植え替えて花を咲かせる。とてつもない作業だが、花が咲いたときに全てが報われるという。桜草という花を深く知ることが趣味の人生だったが、ダリアという花が人生を変えた。
 今は年間の8割がダリア園関係で、桜草に費やせる時間は2割だと笑う。清一さんの知識と技術に町が依存している。
 個人が町を引っ張っている。すごい人だと思った。
 
 
 
 
 

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