暮れの二日間をかけておせち料理を作っていた。毎年の事なのだが、新しい年を自分のおせち料理でお酒を飲むのを楽しみにしている。今回は調子良かったので16品と煮しめ6種類を作った。なかなか良い出来だったと思う。
紅白の蒲鉾:飾り切りしてねじった蒲鉾には、大葉・梅の実・ゴマ・鰹節・味噌を練り刻んだ味噌が入っている。梅の爽やかさが絶妙の味。
黒豆:29日の夜から仕込んで31日の夕方にやっと出来上がった黒豆。毎年、カミサンの友人が送ってくれる丹波の黒豆が材料。今年も豆の味を残した軽い甘さの黒豆に出来た。
伊達巻き:ミキサーがないので、すり鉢ではんぺんと卵をすり混ぜた。かなり時間がかかったが上手く出来た。焼くのに火が強すぎて色が黒くなってしまったのが反省点。
卵焼き:ホタテ缶のホタテを細かく刻み、汁も全部入れて作るホタテ卵焼き。卵四個を使ってふっくらと仕上げた卵焼きは絶品の味。
きんぴら:牛蒡と人参を細く細く千切りして作るきんぴら。ごま油で炒め、醤油・みりん・砂糖・酒で味付け。最後に一味トウガラシを振って出来上がり。ほんのりピリ辛が旨い。
田作り:味付けして煮込んだジャコとクルミを使った田作り。弱火で焦がさないようにゆっくり炒めたもの。みりんと砂糖がネットリとからむ店の味。
信田巻き:油揚げを開き、茹でたほうれん草の葉を敷き詰めて巻いたものをカンピョウで縛り出汁で煮た。出汁の薄味がたっぷり浸みた箸休めの一品。
叩き牛蒡:5センチに切り薄味で煮た牛蒡を縦六つに切りすりこぎで叩く。すり鉢でゴマをすり、クルミも細かくして加え、醤油と酢・味噌で味をつけてからめたもの。
牛肉の八幡巻き:大根と人参を拍子木に切って茹で、千鳥に組み合わせて芯にして牛肉を巻く。フライパンで焼きながら醤油とみりんで味付けして出来上がり。
豚肉の牛蒡巻き:薄味で煮たゴボウを豚のモモ肉で巻いてフライパンで焼く。今回バラ肉でなくモモ肉を使ったが、こちらの方が出来上がりは良かった。
豚肉の昆布巻き:早煮昆布で豚のモモ肉を巻きカンピョウで結んで、醤油・みりん・酒・砂糖でコトコト煮込んだもの。豚肉がしっとりして旨い。
鮭の昆布巻き:鮭のハラミを牛蒡で挟み、早煮昆布で巻き、カンピョウで結んだものをコトコト煮た。これは毎年作っている昆布巻きで、安定の旨さ。
スモークサーモンの大根巻き:桂剥きしてサッと湯に通した大根でスモークサーモンを巻いて三つ葉の茎で結んだもの。味付けはしていない。サッパリした味は箸休めに最高。
栗きんとん:安納芋を煮て裏ごしし、砂糖とシロップで煮て栗の甘露煮を加えたもの。自宅で作るきんとんは、芋の味が残って甘すぎず酒の肴になる味。
ねじり梅:京人参を7ミリ厚に切って梅型に切り取りねじり梅を作る。砂糖と出汁で煮込んで味を含ませたもの。煮物の飾りやおせちの飾りとして使う。もちろん食べても旨い。
紅白なます:大根と人参を桂剥きし、細い千切りにしたものを甘酢で漬ける。柚子の千切りを加えて柚子窯に盛りつけて完成。サッパリと美味しい柚子の香りが箸休めになる。
煮しめ:里芋は六法に切り、出汁で煮る。レンコンは薄切りして出汁で煮る。筍水煮は先端を生かすように切って出汁で煮る。コンニャクは8ミリ厚に切り、中央に明けた穴でねじってねじりコンニャクにする。醤油と出汁で煮る。生椎茸は飾り切りを入れて醤油と出汁で煮る。竹輪は3センチの厚さに切って醤油と出汁で煮る。
絹さやとねじり梅を飾りに置き、南天の葉をあしらう。
酒:今年元旦の酒は八海山の純米吟醸。爽やかな香りとコクのある味わいがおせちの味を引き立ててくれる酒。
今年も一年が始まった。
新しい年の元日、おせちを食べながら酒を飲み、年賀状に目を通す。親しい人の顔や声を思い出しながら酔いが回って行く。今年もいい正月だ。