足が悪くなり家に閉じこもりがちになってしまった義兄を誘って群馬の榛名湖に行った。車に車椅子を積んで初めて出かけた遠出だった。カミさんと相談して思い出のある水沢うどんを食べに行こうと、関越の渋川まで高速で走った。
水沢のうどん街に行くのは2回目だが、前回はずいぶん昔のことだったので、どこの店が良いか事前に調べておいた。選んだのは大澤屋。11時半に着いたら駐車場は一杯で、やっと隅の一箇所を探して車を停めた。平日なのにさすがに人気店、次から次に車がやって来る。店内に入るとすぐに席に案内される。車椅子を押して店内に入ると、とても広くてゆったりと席に着くことができた。席を直す店の人の手際も素早くて慣れを感じさせた。うどんは水沢うどん、野菜の天ぷらとしんこもちを注文する。
うどんはコシがあってツルツルで、ゴマだれが良く合った。野菜天ぷらは豪快でサクサクで旨かった。しんこもちはみたらし団子のような感じで、これも旨かった。全部食べて満腹になってしまった。
食後は近くの水澤観音に参拝する。駐車場から坂道を下り、境内を一周する。本堂とお地蔵様にお参りし、御朱印をもらう。義兄も満足してくれて良かった。
足を伸ばして伊香保温泉を通って榛名湖を目指すことにした。伊香保温泉はすっかり観光客が戻ったようでたくさんの人が歩いていた。九十九折りの峠道は新緑が美しく、ところどころに水木の花が咲いていた。ポツリポツリと見えていた赤いヤマツツジが峠を越えた場所から榛名湖まで道路の両側を覆って、素晴らしい景観が広がっていた。赤一面の中をまっすぐに榛名湖に向かって走るのは爽快だった。
榛名湖畔を散歩して、涼しくなったので車に戻り、湖の周回道路を走る。湖には釣りのボートがいっぱい浮かんでいたし、岸辺からルアーを投げている人もいた。静かな湖で黙々とルアーを引くのは気持ちいいだろうなあ・・などと思いながら走っていた。
榛名山ロープウェイ乗り場にも人がいっぱいだったので、観光客は戻ってきていると思った。自分もそのうちの一人なのだから間違いない。帰りに伊香保温泉で温泉まんじゅうを買った。車椅子では伊香保温泉を移動するのは無理なので、温泉は別の機会にすることにした。
今回、車椅子を押して移動することで普段気づかないことに色々気づいた。車道と歩道の段差を超えるのが大変だったこと。階段が二段あるとそこには行けない。砂地の道や境内を車椅子で移動するのは大変だということ。坂道はもう大変。舗装してない歩道は行けない。駐車場は狭い。などなど、たくさんの気付きがあった旅だった。