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Channel: kurooの窓
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仕掛人・藤枝梅安

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2/14   仕掛人・藤枝梅安  (4.5)


 大好きな池波正太郎の小説「仕掛人・藤枝梅安」を、池波正太郎生誕100年記念として豊川悦司主演で映画化した2部作の第1部。梅安の豊川悦司が素晴らしい。相棒の彦次郎に片岡愛之助。二人のやりとりが実に素晴らしい。仕掛け人二人の関係性や信頼感が静かなセリフと演技で表現されている。実にいいコンビだなあと思った。大晦日の夜に梅安が彦次郎に「彦さん、今年も死ななかったねえ・・」とつぶやくシーンが良かった。菅野美穂は幸せになったようで良かった。高畑淳子はいい味を出していた。柳葉敏郎がすっかり落ち着きある顔役になっていた。早乙女太一の殺陣シーンは素晴らしかった。

 
 江戸時代に引き込まれる風景も素晴らしい。大川の真っ赤な夕日、大きく見える富士山と手前の江戸の町。家も人も物も何もかも安心して見ていられる作り込み。時代劇の素晴らしさが詰まっていた。
 ストーリーは仕掛け人シリーズで見ている通りの展開で勧善懲悪パターン。悪人が次から次に殺されるが陰惨さはなくエンタメとしてその手段や方法を楽しむことができた。時代劇あるあるが随所に炸裂して実に面白かった。中でも、美味そうな食事シーンが目を引いた。無骨な二人が作る鰹節を削ったお粥や湯豆腐。鯨汁や小松菜と油揚げで作る小鍋などなど、実に美味そうだった。エンドロールに「分とく山」の文字を見つけて納得。池波正太郎の本に出てくる本格的な江戸料理を、道具も含めて再現していた。

 
 エンドロールの後に後編の始まり部分が放映されていた。次回作は四月七日に封切りとのこと、これも絶対に見にゆく。後編の方に期待して今回は控えめに4.5の評価。
 観客は同輩の方が多く、映画終了後の男性トイレが列になったのは笑った。我々世代がじっくり見られる映画があるということはとてもいい事だ。久しぶりの本格的時代劇を見てそう思った。


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