8月20日と21日、懐かしい舘岩村に行って釣りをしてきた。いつ以来だろうか、多分20年ぶりくらいになるかもしれない。若い頃に何度も通った川で、キャンプした思い出も懐かしい。
ふと思い立って急に行きたくなった釣りだった。湯の花温泉の民宿を予約して、朝から雨が降る中を出かけた。雨は会津西街道に入ると止んで、舘岩村に入ると晴れてきた。目指す川の入り口で釣り券を買おうとしたらおじさんがいない。仕方ないので2キロ戻り、ヤマザキショップで2日分の釣り件を買う。2日分で2200円だから安いものだ。
いつもキャンプしていた堰堤から入る。山の神の社が壊れていたが、お賽銭はいっぱい置かれていた。何もかもが懐かしい場所だ。しばらく思い出に浸ってから川に入る。昨夜も雨が降ったらしく少し増水しているようだ。河原を歩くのが気持ちいい。
少し上流でいきなりイワナが釣れた。まるで待っていてくれたかのようで嬉しかった。花崗岩の岩は滑りにくいので歩きやすい。変化の多い渓谷で、遡行するのが楽しい。
ポツポツと釣れ、四つを数えたところで雷が鳴り出した。ちょうど橋のところだったので素直に脱渓した。林道を歩いているうちに猛烈な雨になった。土砂降りの雨が合羽の上から叩きつけて痛い。林道はあっという間に泥水の濁流になり、強風で雨が横殴りになり前が見えないほどだ。ゲリラ豪雨と聞いてはいたが、山の中でこんな豪雨に遭うとかなり不安になる。
40分土砂降りの中を歩いて車についたときは本当にホッとした。車で着替えて休んでいたら雨も静かになってきた。あのまま降り続いたら林道から出られなくなるかもしれなかったので良かった。
まだ時間が早かったけれど川は泥水の濁流と化しているので釣りどころではない。車を走らせて檜枝岐まで行ってみた。檜枝岐歌舞伎が九月にあるので大きな歌舞伎の幟旗がたくさん立っていた。
道の駅で一休みして宿に向かう。宿は湯の花温泉の民宿「かじや」。元気なおかみさんが迎えてくれた。すぐに湯に入って体を暖める。いい温泉でゆっくり暖まった。
夕飯も朝食も食べきれないほどの料理が出て、大満足の民宿だった。囲炉裏で焼いたイワナの塩焼きもイワナフライも旨かった。
2日目は民宿目の前の川。昔何度も通った道がそのまま残っていて、入渓もスムーズだった。入ってすぐに大きなイワナが釣れた。その後は反応がなかったが、川が綺麗なので飽きることはない。堰堤を高巻きしてすぐにまたイワナが釣れた。そこから上流は滑沢になる。川幅いっぱいに岩盤の上をサラサラと流れる川。魚はいそうにないが、歩いていると最高に気持いい川だ。こんな素晴らしい景色を独占している贅沢。この何百メートルもの滑沢を歩いただけでも来た価値がある。
滑が途切れたところで脱渓した。魚よりも景色に満足して上機嫌になるのだから人間も変わるものだ。最後に最高の景色を見ることができた。
午後から昨日のような大雨が予想されていたので釣りは終了。道の駅で大きな桃をお土産に買って帰路に着いた。佐野サービスエリアで休憩し、今話題の佐野ラーメンを食べた。30分待たされて食べたが、普通のラーメンだった。