ホームページの山里記憶コーナーに「尾ノ内氷柱」をアップした。この場所は以前にも取材したことがあった。三年前の九月に「おもてなし」として「河原沢よってがせー委員会」の活動を取材したものだった。その時に感じた事は、地域活性化のために必要な事は地域の人がみんなで盛り上がる活動にするという事だった。一年間のよってがっせー運動が、冬の氷柱の集客に集約される。尾ノ内氷柱の実行委員会会長である北孝行さん(74歳)が言う「もっとも大事な事はリピーターを作ること」という言葉に集約されている。
多くの人が訪れる尾ノ内氷柱だが、リピーターも多い。安い料金と美味しい食べ物、笑顔と楽しい会話の接待。みな、よってがっせー委員会の活動で培われたものだ。一朝一夕に出来るものではない。氷柱そのものを作ることも大変だが、全員がおもてなしの精神を行動に表現できることも大変なことだと思う。
自分達で地元に大きな観光地を作る。最初は小さな活動だったが、評判は評判を呼び、大きな観光地へと育った。みんなでやった事であり、やれば出来るんだという自信も大きい。
行政によって作られたものではなく、地元の青年達が始めた活動だったというのも新鮮で楽しい。地球温暖化と言われているが、昨今の厳しい寒さが更に氷の成長を促し、立派な氷の世界を作り出している。テレビで何度も出て来るのでさぞ忙しい事だろうが、嬉しい忙しさなのだと思う。寒ければ寒いほど注目される観光地だから、当分注目されることだろう。
一月末からは毎週土曜日にライトアップも始まった。寒い日に思い切り寒いところで幻想的な風景を楽しむというのも一興かもしれない。
尾ノ内氷柱で楽しみたいのは景色だけではない。サービスの甘酒。売店で売っている温かい料理。窓口に置いてある無料の自家製料理の数々。地元のお土産。薪ストーブにあたりながら交わす楽しい会話。全部楽しめれば、印象に残る観光地になるはずだ。そして、それは地元の人々が最も望んでいる観光客であるともいえる。