8月29日、小鹿野町藤倉の大石津(おおしず)に竹皮ぞうりの取材に行った。取材したのは山崎千枝さん(82歳)で、マダケの皮を使ったぞうり作りを見させていただいた。
千枝さんは子供の頃からワラジやぞうりを作っていて、7年ほど前にあるきっかけがあって再びぞうり作りを始めたという。その手際は見事なもので、リズミカルに動く両手が軽やかだった。実際にはかなり力を必要とする作業で、見ているだけではわからなかったのだが、自分でも一足作ってみて、初めてその難しさがわかった。
昔は藁が貴重で、モロコシの皮や竹の皮でぞうりを作った。川の草なども使ってぞうりを作っていたという。明日履くぞうりを作る夜なべ仕事が毎日のことだった。
千枝さんはぞうり作りを近所の人に教えて喜ばれている。以前は道の駅などに出して販売していたが今はしていない。作り方を若い人が習いに来てくれるのが嬉しいという。
自分で作ってみてわかった事がじつに多かった。布を細い竹皮に巻いて使う部分では、丁寧に巻かないと出来上がりがボコボコになる。慎重に丁寧に、履く人の事を考えて千枝さんはぞうりを作る。最後に裏側の出っ張りをハサミで切るのだが、その際も凸凹にならないように履き心地を考えながらハサミを入れる。その丁寧さは「そこまでやるの…」という細かい作業だった。
写真左のぞうりが私が作ったもの。なかなかの出来栄えに大満足。
作った竹皮ぞうりは自宅で室内履きにする予定。竹皮だから長持ちするし足裏にも良い刺激があるとのこと。自分の足に慣らしてその履き心地を楽しみたい。